水差しの版画”Pitcher”
水差しの版画”Pitcher”を制作しました。
まずは、動画を御覧ください。(Youtubeサイト)
謄写版で刷る水差しの版画”Pitcher”|How to make Printmaking of art at Mimeograph by Tomoko Kanzaki
いかがだったでしょうか。
この作品の特徴は、
- 基本的な一般一色刷り
- ベタ面が多め
- 描圧還元法使用
となっています。
【スタート〜00:27】
下絵をうつしとり、ヤスリに取り付け製版していきます。ヤスリはXBヤスリを使用しました。
特徴のベタ面が多めということもあり、実はこの作品、ほとんど面製版となっています。
まずは分かりやすい背景のベタ面を製版していきます。
面製版は原紙の繊維の方向に鉄筆で塗りつぶしていくのがポイントですね。
まだ面製版です。途中で油性ペンで描画しているのは、鉄筆でカラ描きで下絵をとっていたので、面製版で製版の際消えちゃうので描き足しました。今回は作品の一番白いところ以外は全部塗りつぶしています。
カラ描きで下絵?
10-48|製版-下絵の写しとり (Youtubeサイト)
面製版が終わったので、原紙をヤスリから剥がします。剥がす時も繊維の方向もしくはヤスリの目打ち方向に取ると破れにくくはがせます。(、、が、少し破れました。)
つるつるした物(私は下敷きを使用)の上に製版した原紙と、保護のために捨て原紙を重ね置き上から鉄筆で擦って製版したところを埋め戻していきます。唯一この描圧還元法だけが筆圧で強弱をつけることができるので、より白く埋め戻す時は力を入れて、中間トーンのところは力を半減して擦り埋め戻します。
“水差し”のちょうど真ん中あたり光が当たっている表現を出したかったので、シェラックニスを塗り目止めしています。塗布還元法ですね。原紙の片側をマスキングテープで止め片手て少し浮かしながら塗っていきます。
刷る準備です。今回はベタ面多めですので、少し刷りに工夫をします。インクはサクラ版画インク油性を使っていますが、少しペインティングオイルを足してもう少し柔らかくしています。それと、原紙とスクーンの間に「典具帖紙」を入れ、刷りを行いました。そうすることでベタ面刷りにの際多くインクを使った時の弊害「インク滑り」が軽減されます。
あとはマスキングテープで「四隅」と「上」を止め、原紙を固定します。
インクが出るようなったら、刷っていきます。ベタ面は紙がスクリーンに付きやすくなっています。弱粘着の両面テープかスプレー糊をほんのすこーし刷り台につけておくと大丈夫なのですが、今回はつけませんでした。
細かい各製版方法や刷り方法は、まだ10-48サイト内でご紹介しきれていない部分があり不明点が多いと思われますが、簡単に作品制作解説をいたしました。
10-48の「表現講座」の方で技法紹介を行っていますので、習得したい方は是非受講してみてください。
10-48のYoutubeチャンネルでは今回の制作動画や技法動画を紹介していますのでチャンネル登録を宜しくお願いします。