10-48レポート:ガリ版伝承館
10-48でのワークショップでも度々ご紹介しています「ガリ版伝承館」。2016年11月に10-48の神崎も作品を展示する機会をいただけましたので、オープン日に伺ってきました。
このサイト内でもガリ版伝承館での展示は告知しておりましたが、やはりメインとなる20日は大変盛況だったようで、500人来場だったとか。私が伺った日は、来場者はあったもののゆったりと過ごすことのできる日程でありました。
<伝承館の説明>
ガリ版伝承館は謄写版を開発した「堀井新治郎」の本家を改修した建物で、現在は技術を紹介する施設として体験・展示を楽しむことができます。
<蔵について(ツイート再掲載)>

作家特権?!で伝承館「蔵内」を見学させていただきました。
入って早速、謄写版道具の山々山。。。
ここから全国からの希望者様に道具が行き渡っている模様。

これは堀井の本社事務所にあったものだとか。2回目の倒産時に物をそのままで出ちゃった様で、なんとか処分までにお救いしたのだそう。どこの資料館に行っても、まずないですねコレ。

お助けした資料ですが、「店員写真」なるものがあって、こちらは一番はじめの集合写真。堀井謄写堂の工場が日暮里にあった様で、明治48年4月上野公園美術学校前とのこと。

昭和28年のこちらは、日本銀行の謄写版原紙(の目次)。お役所・会社ごとに専用の原紙を製造していた様です。

専用の原紙はこんな感じで、社名・省庁名が入っているものだった様です。

品物売るには教材も。よくあるのは紙のテキストが多いのですが、こちらは映像スライドです。

何年製なのか未確認ですが、「原理篇」「製版篇」「印刷篇」各400円(当時の価格)で販売されていた模様。10-48の動画に通じるシロモノです。
<展示について>
この展覧会は謄写版を使って表現活動されている作家の展示となります。
出展作家は、さいとうみほこ氏/版画家、玉村塔(たまむらとう)氏/デザイナー、水口菜津子(みずぐちなつこ)氏/アーティスト、ヤスダユミコ氏/グラフィックデザイナーと、私、神崎智子(かんざきともこ)/版画家でした。
今回の私の出品作品は、
「簡易な印刷方法にも関わらず繊細な表現が出来、工夫次第で表現の幅を広げられる」を示すことの出来ればと比較的入手しやすいXBヤスリを使用した作品の他、10-48でおなじみの動画を上映しました。
私が伺えなかった日程で開催されていた体験会も好評だったと伺っており、新たな驚きと発見が散見できる活気ある会場だったのではと想像出来ます。
謄写版に特化した施設は日本全国に数は少ないものの数カ所ありますが、やはりガリ版伝承館は今や謄写版のメッカ的な存在であるからして保有する情報や、さらに体験できる仕組みがあるのが大変魅力的です。
また、そういった企画が開催されるのかは未定ですが謄写版を楽しんでいただく思いのもと活動されていますので、次回も趣向の凝らした企画を楽しみにしています。